TAJIMA-USHI DICTIONARY
和牛種 | 乳用種 | 交雑種 | 外国種(輸入牛) |
肉として私たちが食卓で食べる牛には様々な種類があります。
ここでは国産の牛の品種(特徴)についてまとめてみました。
私たちの国で飼育されている肉牛の大半は3種類にわけられます。
1つは『和牛』次に『乳牛(ホルスタイン)』、3つ目に『交雑種(F1)』です。
『和牛』は1,944年に3種(黒毛和種・褐毛和種・無角和種)が認定され1954年に日本短角和種が追加になり4種類になりました。国産牛は日本で生まれ肥育された上記の4種以外の牛を言いますが、産地表示の定義が2005年では、肥育期間が長い場所が産地となります。
また、外国種や輸入牛でも3ヶ月以上国内で肥育されると昨年(2004年)までは国産牛の表示が出来ましたが、改正後、肥育期間が長いところが、産地になります。
一般には和牛と呼ばれる品種ですが、元は農耕用に飼われていた在来種です。
明治時代に、海外からの牛肉を食べる文化が神戸に伝わったと言われています。
それ以来、外国産の様々な品種と交配し、品種改良が行われ、いろんな牛が誕生しましたが、但馬牛だけはかたくなに血統を守り続け、現在に至っています。
この和牛はさらに次の種類に分けられます。「黒毛和種」「褐毛和種」「日本短角和種」「無角和種」の4種類です。
中でも現在は、日本短角和種・無角和種は滅法少なくなりました。
肉質にすぐれ、日本の和牛の90%を占めています。 その和牛の中でも有名な黒毛和牛(正式には黒毛和種牛)は、国産牛の4割弱(牛肉全体の15%)程度を占めるにすぎません。松阪、神戸、近江などの有名ブランドはすべて黒毛和牛です。 その中で、但馬牛はすべての黒毛和牛のルーツです。肉質は最高級です。 これらは独自の厳しい基準を設けてさらに高い品質の銘柄を追求しています。 |
肉質が黒毛和種に近く体が大きく育ち、良い品種です。 褐毛和種とは、熊本県と高知県で飼われていた朝鮮牛を基礎とした赤牛に、明治以降にシンメンタール種や朝鮮牛を交配し、改良した品種です。 |
手間がかからず成長が早い品種で、主に東北地方で飼育されています。 その昔、旧南部藩時代に内陸と沿岸を結ぶ”塩の道”の物資輸送に使われていたのが南部牛。「田舎なれども南部の国は、西も東も金の山」-民謡・南部牛追い唄にうたわれるのはこの南部牛のことで、 現在の日本短角種の祖先にあたります。伝統ある南部牛に明治以降輸入されたショートホーン種を交配、品質改良を重ねた末に誕生しました。昭和32年には日本短角種として認定された、日本固有の肉専用種です。 |
成長が早く歩留まりが良い品種です。 山口県阿武(あぶ)郡で在来和牛をアバーデン・アンガス種によって改良して生まれた品種です。 大正9(1920)年に、広島県七塚原の、農林省畜産試験場中国支場で生産されたアバーデン・アンガス種と和牛の一代雑種のオスが山口県に貸し付けられ、これが発端になり、以来アンガス種による改良が続けられました。 |
もともとはオランダ原産です。ホルスタイン(国産牛)は牛乳を作るための牛ですが、雄牛は(去勢して)肉用になります。
肉質は赤身が多く、やや柔らかいのが特徴です。味は淡白です。 現在、一般に販売されている日本の牛肉の70%は、乳用ホルスタイン雄去勢牛の肉です |
もともとはイギリス原産です。ジャージー(国産牛)は、ホルスタイン種より乳量が少ないが乳脂肪率が高い牛ですが、実は乳・肉両用種です。 英仏海峡のジャージー島原産の乳用種です。フランスのブルトン種やトルマン種を基礎に改良されましたが、ブルトン種の影響を強く受けています。 体が小さいため、乳量は年間約4000kgとそれほど多くありません。しかし、乳脂肪率が高く(約5%)、脂肪球も大きいのでクリームが分離しやすく、その上、カロチン含量も高くて美しい黄色がでるので、バター原料乳として最適です。 |
交雑種は明治33年、種牛改良調査会の答申により、雑種による和牛改良方針が決まり、ショートホーン種、シンメンタール種、ブラウンスイス種などの外国種が輸入され、国の種畜牧場を中心として雑種生産が始まった。 黒毛和種等に代表される様な牛の種類(品種名)ではありません。交雑種は生産コストの引き下げ、 肉質の向上を目的に交配させた品種である。 以前これが国産和牛に化けて問題になりました。今では個体識別が制度化され間違いが起こらないようになっております。 |
肉食の歴史が長く需要も多い欧米では、数多くの優れた品種が作られていますが、 現在おいしい肉洋種として広く飼育されているのはブリティッシュ・ブリードと言われるイギリス系と、フランス系です。 |
イギリス原産、無角、褐毛で顔だけが白い。赤身が多くサシが少ない。肉質は粗いのですが、 暑さ・寒さ・乾燥に強く頑健で育てやすいので数多く飼育されています。 |
スコットランド原産。肉質の優れたアバディーン種とアンガス種が交配されてできました。 無角、黒毛。サシが入りやすく肉質の良いおいしい牛。成長は早いが皮下脂肪が厚いのが欠点。 アメリカの肉用牛の40%を占めています。 |
イギリス原産。名前のとおり角が短い。成長が早く、肉質も良い。 |
フランス原産。クリーム色で大型。フランスの誇るおいしい牛です。脂肪が少なく赤身がおいしい。 特に肉汁(グレービー)はそのままで良くできたコンソメのようです。 一般的に脂肪が少ない牛肉は固いのですが、シャロレーでは赤身と柔らかさが見事に両立しています。 残念ながらほとんど日本には輸入されていません。 |
日本へは昭和40年代に輸入され、繁殖も行われて肥育素牛が誕生しました。無税子牛として輸入されたこともありますね。このマリーグレー種は、オーストラリア東南部のマレー地方原産でショートホーンとアバディーンアンガス種をかけ合わせて生まれました。被毛は灰褐色で体下線、鼻鏡は黒く角はない。性格は温順で、粗飼料利用性は高く、成長が速いことが特徴として挙げられます。 |
現在日本で食用にされている海外肉用種は、アメリカやオーストラリアなどでこれらの牛を改良され、輸入されております。
オーストラリア産の牛肉はいつ誕生したのでしょう。オージービーフの歴史をさかのぼってみようと思います。もともとオーストラリアには牛はいませんでした。1788年1月に南アフリカで買った2頭の雄牛と6頭の雌牛がシドニーの港に運び込まれたのが始まりだと言われております。以来、長い年月が流れて現在では約3000万頭もの牛がで飼育されています。
オーストラリアで生まれ育ったウシ、またはオーストラリアで加工された牛肉のことを言います。俗にオージービーフと言います。アメリカ産の牛肉と並んで、比較的安いので一般家庭でもよく食べられているのではないでしょうか?また、日本国内の大手ハンバーガーチェーン店のほとんどは、ハンバーグにオーストラリア産の牛肉を使っていなす。
オーストラリア産の牛の特徴として牧草飼育(グラスフェッド)が挙げられます。オーストラリアの牛は豊かな自然の中で、栄養たっぷりの草を食べて大きくなります。そのため、肉は赤身が多く、少し硬いので焼肉とかしゃぶしゃぶにするよりもミンチ用やカレー、シチューなどの煮込み料理に適しています。最近は日本人向けに霜降り肉を作るため、穀物飼育(グレインフェッド)される牛も増えてきたようです。